皆様、こんにちは。
さて、この「頑張る日記」は、皆様にマンション管理士の実際の姿をご紹介したいと考え、当事務所の開業以来これまでの間に体験をさせていただいた、特に印象が強かった出来事を元に、連載記事として再構成したものです。
そこで最初にお断りですが、この頑張る日記は、私自身の体験をベースとして文章を作成しておりますが、登場する団体や人物、出来事も特定のものではありません。あくまでも、事実を基にした創作としてお読みいただく頑張る日記でありますので、ご了解の程、お願いいたします。
では、早速第お話を始めてまいりましょう。
- 皆様、こんにちは！早速、「マンション管理士頑張る日記」の前回の続きをお話いたします。
※本稿はある出来事を基に記述しておりますが多分に脚色を加えております。従いまして、内容の全てが事実ではありません。ご了解の上でお読み願います。
そして、またまた、その後のお話です。
前回もお話したとおり、このマンションでは小鳥や金魚などを除いて、ペットは飼育禁止ですし、これまでは皆さんがきちんとこのルールを守り、少なくともペットに関してのトラブルが起きたことは有りませんでした。
そんなこのマンションで今回のこの問題はどのような対策がなされ、解決したのでしょうか。
なんと、Aさんはお部屋の中で子犬を飼うことになりました。
話し合い後、Aさんは全てを納得して、素直に野良猫に餌を与えることを止めました。でもここで終わらないところが、今回のお話のポイントです。
理事さん達の話し合いの中で出てきた意見をまとめると、
「Aさんには野良猫に餌をあげることを止めてもらおう。だけども、それで全て解決するということにはならない。Aさんの最近の様子をみていたら、代わりに何か張り合いのあることをしてもらわないと、もっとおかしな行動をしてしまうことになりかねない。」
「Aさんには、我が家の子供たちも含めて、マンション中の皆が多かれ少なかれ面倒みてもらってきたことも事実だし、これからは私たちがお返しする番ではないか。」
「どうだろう。管理規約の定めには従わなければならないことは判りきったことだけど、Aさんに元気で長生きしてもらうために、皆に承諾してもらってからという条件付きで、Aさんには特別に部屋の中で子犬か子猫を飼ってもらうことにするのは？野良猫に餌をあげられることを考えれば、より良い解決策だと思うよ。」
という内容の話し合いがあり、その後の理事長をはじめ理事さんたちの骨折りが功を奏して、結果としてマンションの居住者全員の賛成を得られて、Aさんは希望した子犬を飼うこととなりました。
反対もありました。曰く、規約は全員が守るもので例外を認めてはいけない、これからも同じような事例が出てきたときも同じ対応を認めるのか、等々です。これらの意見もマンションという共同生活を考えたとき、正論です。
しかし、このマンションでは理事長達の説得が続き、全員の方が現在のAさんに理解を示して納得しました。
今回のこの解決策は、本当に特殊なケースと言っても良いでしょう。
このマンションが小所帯で、居住者の皆さんに良好なコミュニケーションが保たれていたこと、労を惜しまずに解決に向けて説得活動をした世話役がいたこと、何よりもマンションの居住者全員に好かれているAさんのお人柄などなど、どれが欠けても今回の結論にはならなかったと思われます。
マンション管理士として、この解決策には疑問を呈しなければならないのかも知れません。しかし、私はこの結果を聞いたとき、思わずふっと微笑みました。
「こんな解決の仕方もあって、良いのではないか。」
皆様は今回のこの事例と解決策を、どのように考えますか？
忘れていました。その後のAさんですが、子犬が傍にきてから、とってもお元気になられたそうですよ。
では、またお会いいたしましょう。
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